美容室・理容室が脱毛メニューを導入する前に押さえたい法律の基本は、(1) 毛根(毛乳頭・皮脂腺開口部等)を破壊する行為は医師免許がないと医師法第17条違反になり得る一方、毛乳頭・皮脂腺開口部等の毛根組織を破壊しない範囲の「美容ライト脱毛(光脱毛)」はエステティックサロン等で行われていること、(2) 理容・美容の業務範囲は理容師法・美容師法に定義があること、(3) 広告で「永久脱毛」など医療的効果を保証する表現は景品表示法・薬機法の観点から避けるべきこと、の3点です。いずれも一般的な情報であり、自店の具体的な施術内容については所管の保健所や専門家にご確認ください。
なぜ導入前に法律を確認するのか
脱毛・うなじケアは需要が大きい一方、関わる法律が複数あるため、知らずに進めると広告表現や施術範囲で思わぬリスクを抱えることがあります。導入前に「どこまでがサロンでできる範囲か」「広告で何を言ってよいか」を整理しておくことで、安心して新メニューを始められます。

(1) 医師法と「美容ライト脱毛」の線引き
厚生労働省の通知(医政医発第105号・平成13年11月8日)では、医療用かどうかを問わず、レーザー光線その他の強力なエネルギーを持つ光線を毛根部分に照射し、毛乳頭・皮脂腺開口部等を破壊する行為は、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反するとされています。一方、毛乳頭・皮脂腺開口部等の毛根組織を破壊しない範囲で除毛・減毛を目的に行う「美容ライト脱毛(光脱毛)」は、エステティックサロン等で行われています(「美容ライト脱毛」という呼称・定義は厚生労働省の通知が定めたものではなく、業界での整理です)。サロンで導入する機器・施術がどちらにあたるかを確認することが出発点です。
(2) 理容師法・美容師法の業務範囲
理容師法では「理容」を頭髪の刈込・顔そり等により容姿を整えること、美容師法では「美容」をパーマネントウエーブ・結髪・化粧等により容姿を美しくすることと定義しています。うなじ・襟足を整えるネープケアは、こうした既存の施術の延長として案内されることが多いメニューです。資格と業務範囲の考え方は、固定ページの法規ガイドでも解説しています。
(3) 広告表現の注意点
サロンの脱毛広告では、「永久脱毛」「もう生えてこない」など医療的効果を保証する表現は、景品表示法(優良誤認)や薬機法の観点から避けるべきとされています。サロンでは一般に「減毛」「抑毛」「ムダ毛のお手入れ」といった表現が用いられます。
導入前チェックリスト
- 導入する機器・施術が美容ライト脱毛の範囲か(毛根破壊を伴わないか)を確認したか
- 提供する施術範囲と運用ルールを決めたか
- 広告・メニュー表で医療的効果を保証する表現を使っていないか
- 肌状態の確認・カウンセリングの体制を整えたか
- 不明点は所管の保健所・専門家に確認したか
よくある質問
サロンで脱毛メニューを提供するのは違法ですか?
「永久脱毛」とメニューに書いてもいいですか?
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の施術の適法性を保証するものではありません。法令の解釈・適用は個別の事情により異なります。導入にあたっては所管の保健所や専門家にご確認ください。

